泡盛は、いわゆる焼酎の原型であり、日本最古の蒸留酒です。その歴史は古く、その製法は、15世紀の琉球王朝時代にに東南アジアから沖縄に伝わたとされています。
その特徴の一つが、原料に長粒種(インディカ米)が使われることがあります。短粒種(ジャポニカ米)による泡盛製造も、ごくわずかに行われていますが、そのほとんどは、タイ産のインディカ米です。
また、酒造りに使われる麹にも特徴があります。例えば、九州の焼酎は白麹菌を使うのが主流ですが、泡盛では黒麹菌しか使われません。
白麹菌は黒麹菌の変異株といわれており、そういった意味でも泡盛は焼酎の原点といえます。黒麹菌は繁殖の際にクエン酸を作り出す特徴があり、それによって雑菌の繁殖が抑えられ、温暖な沖縄でも安定してアルコール発酵をすすめることができます。
加えて、泡盛は仕込みの方法も独特です。通常、焼酎などでは、原料を発酵の途中で加える「二次仕込み」が主流ですが、泡盛は、途中で原料を加えない「全麹仕込み」で発酵させます。