泡盛は製造後、甕や瓶などで、長期熟成させることで、甘みをまとったまろやかで芳醇な香りを放つことがあります。そのような状態に育った泡盛を古酒(クース)と呼びます。
クース造りは酒造メーカーのみならず、泡盛愛好家の間でも行われており、その熟成方法には様々なスタイルがあります。
伝統的な方法としては、陶器の甕で熟成させる方法があり、甕クースと呼ばれます。その場合、甕から溶出した微量成分が泡盛の酒質に影響を及ぼしたり、一部成分の蒸散により、甕ごとに独特な香りのクースへと成長します。
また、甕クースの中でも、複数の甕を用いて泡盛を熟成させる手法を仕次ぎ(しつぎ)といい、安定して品質の良いクースを育てる技法として伝承されています。
一方、瓶詰めした泡盛をそのままの状態で熟成させたクースを瓶クースと言います。
クース造りは、一般的に甕より瓶での熟成の方がアルコールの蒸散や微生物の繁殖などのリスクが少ない(管理しやすい)反面、瓶熟成では、ある時期にピーク(飲み頃)を迎え、それを越えると力強さを失っていくため、飲み頃の判別が難しい一面もあります。
瓶クースの場合、飲み頃の目安は、30度の泡盛の場合3年~20年。
40度以上の泡盛の場合3年~?年(現状として30年物でもピーク前と思われる瓶クースが多数存在します)。
仕次ぎクースの場合は、超長期熟成クースのほぼ全てが戦争で消失し、そのピークが不明ではありますが、史料によると、かつては100年物、200年物のクースがいくつも存在していたと言われていますので、それくらいの期間までは熟成の可能性があります。
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